ライフセーバーをやってて、私が1番めんどくさかったのが台風だった。
まずは通勤。当時原付バイクしか持ってなくて、片道16キロをバイクで行くのだ。時間にして40分くらいだったろうか。後半はいつも尻がしびれていた。
毎日のように通っていたが、それが苦にならなかったのがマサオがいたからだ。
マサオとは小中と大学が同じで無口な彼だったが、なんとなくいつもそばにいた。そして無口なくせにたまに面白いことを言う。
無口レベルでいくと、話しても2語文。こっちが話せば返す感じ。まじで受け身。
小6の時。マサオが「ねー。まさおさまて言って」「なんでや?」「いいから言って」
「まさおさま」…「じゃー反対から言って」……「まさおさまやん!!!」
この面白さは彼の表情やキャラ、声のトーンが重なって伝わるもので、とてもお伝えしにくいのですが、とにかく彼はたまに面白いことを言う。
そして、それとは少し外れるが、その日はバイクを交代して行くことに。
マサオのバイクに代わってすぐに異変に気付いた。そして彼も同じだった。
「ねー。マサオー。お前のバイクずっと進むんだけど!!」
「いや。おまえのバイク、進まんけど」
解説すると、バイクは右のアクセルをふかして初めて進むのですが、マサオのバイクは常時ちょびっとだけどアクセルがふかされた状態のバイク。だから信号待ちでも踏ん張ってブレーキしないと進む仕組みだったのだ。
それに比べて私のは正常なので、マサオからしたら異常だったのだ。
そんなバイクを40分も運転してると、足から尻までの筋肉はパンパン。
逆にマサオは「このバイク楽!!」て驚いていたけど、お前のが変なんや!て強く思った。
話はそれましたが、そんな長い道のりを台風のなか通勤しなければならない。
びしょぬれだし、こけそうになるし。なぜそうまでして出勤するのか。
台風の海に必ずやんちゃな輩が来るからです。ヤンキー対ライフセーバー
「今日は入れません」「入れろや!!」これはヤンキーに不慣れなわたしは嫌いだった。
だから、あっちの岩場なら管轄外なのでいいですよ!目をつむります。でもこっちには来ないでください。あと絶対助けません!て言ってた。
だって死にたくないもん。
そして、それに文句言ってきたら、マキさんていう九州のボクシングチャンピオンがいたので、全然怖くなかった。彼が出る時は水戸光圀が出てくるかのごとくヤンキーはひるんだ。
そしてこの時の台風が昼頃がピークで。昼過ぎはさすがに誰もこなかった。
そこから炎の車いすが始まった。
一人が車いすに乗り、一人が後ろから押すのだが、マジでダッシュ。施設内の廊下20メートルをダッシュしてギリギリで止まる!!
この競技が流行ってしまった。
この競技はマジで怖い。わたしはびびりなので押す方に徹しましたが、1回乗った時は死ぬかと思った。
やがて、それは危険なので、タイムアタック方式になり、いかにきれいにUターンするかが競技のだいご味となり、意図的な事故はなくなった。
その夏。ライフセーバーしながらナンパして彼女見つけた人いたし。我々の遊びには一切付き合わず、クールにしてた人が、実は風俗通いの人と判明したり、あ。人生で初めて合コンに誘われ、行ってみるも、いつもかっこよかった先輩が豹変して、女子に媚びまくってる先輩をみて引いたり。
いろんな経験の夏でした。ちなみにこの合コンがドン引きしすぎて、2度と合コン行かないと決めた夜でもあった。これが飲み会を嫌う体質の始まり。
のちの専門学校で滅多に飲み会にこないレアキャラになったのは、この時知る由もなし。
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