大学に入れば遊んでいい
晴れて大学に入学した私は高校生活の終盤に担任に言われていた言葉をむねに生きていた。
「大学に入れば遊んでいい」
その言葉をそのまま受け取った私は、本当に遊んで暮らした。どうすれば馬に乗れるかのみを考えていた。高校時代は部活動だったので、そんなに馬に乗るのに費用はいらなかったのだが、大学は一般会員なのでそれなりに費用がかかった。
頭が悪いわたしが行った大学はもちろん私立。学費やアパート代を考えると馬の費用までは頼めず。とりあえずローソンでのバイトを始めた。ローソンのバイトは楽しく深夜帯もがんがん働いた。大学が異なるけど友人もでき、昼は馬に乗り夜はバイトか友達と遊ぶという暮らしだった。
そういや。ローソンでバイトしてた深夜帯。びっくりするくらいきれいな人がいて、思わず裏で休んでいるスタッフを呼び出し(レジにボタンあり)たくらい。
「なんよ?」「めっちゃ美人だからみてほしくて」「わ。まじ美人やん」「でしょ。一緒にレジしよ」という風に一人がレジスター、一人が袋詰めのフォーメーションで待ち構えていた。
すると、その美人が……「しょうくん?」と私の名前を
「え!???」
「わたし〇〇よ。」
「えー----!!!!!」
その人は中学時代に言い寄られていた2個上のマドンナで、毎日のようにクラスにきたけど、中1のわたしには刺激が強すぎて恥ずかしさのあまり断ってしまった方。
その時、心の底から後悔の念がでてきた。あの時の俺よ。勇気だせや!なんが恥ずかしいじゃ!!と。
ま。そんなローソンの話はどうでもよくて、とにかく馬に乗る資金を貯めた。
入学して半年たつと「もっと安くのれんかなー」(高校時代タダ同然だったので欲が)
高校は、部活でタダみたいなもんだしなー。……タダ………部活…………。!!あ!!!部活か!!!
そう思い、仲間をあつめて、3名だったかな?馬術愛好会を立ち上げた。
これで安く乗れると1年過ぎたころ。親から電話が。
単位ってなん?
「おまえ大学いってるの?」「え。うん行ってるよ」「なんか大学から取得単位0とかきたけど間違い?」「え!?単位?」
どうやら大学では単位をとらないといけないとそこで初めて知った。そして取り方なんてしらなかった。だって遊んでいいといわれていたから。これマジです。そしてそれを知った頃にはコンビニ、居酒屋、SOK(現ALSOK)の3重奏。警備員の仕事で、お偉いさんに気に入られ「今日はいける?」て電話がかなりきた。なので大学行く暇もなく警備員ばかりしてた。
このまま大学辞めて就職しようかなと思ったくらい、バイトのくせに地位が高く、19のガキが正社員に注意したり指導したりだった。そんな仕事も任せられたがなぜ就職しなかったか。それはとにかく安かったからだ。高卒で入社したところで……て感じだった。
※ちなみに1番きつかったのは、同じ大学の生徒が電車から降りてきたら、道いっぱい広がらないように片方に寄せて「端の方を歩いてくださーい」ていうやつ。知り合いに会った時は、コスプレしてるみたいで、かなり恥ずかしかった…
知識に無駄はない!!
そんな時に守衛の仕事が。ある事件を後に全国の国立大学付属の幼稚園、小中学校、養護学校に警備員を配置する話が。その時わたしは養護学校に配属が決まり、樫の木でできた警棒を片手に正門に立ち、学校を巡回する役目をいただいた。
この武器が重く、ひもの部分が皮でできており、そこを中心にぐるぐる回して、なんど皮をちぎってしまったことか。
しかし大学をそっちのけで行った養護学校に大きな分岐点が2つあった。1つはそこにSTがいたということ。もう1つは少年との出会い。
彼は毎朝来るたびに「おはよー。コナン君みた?」とか「仮面ライダーみた?」とか聞いてくる。そのたびに「そんなのもう見ないよ」てやれやれ顔で言っていた。しかし彼はめげずに毎日聞くので、1回仮面ライダー見てやろう!て観てみた。
さっそく「かっこよかったねー」て言いながら返信のまねとかしたらめちゃくちゃ喜んで!!
そんだけで、あれだけの笑顔をもらえるんだ(感動)。観るだけであんだけ人が喜ぶならちゃんと見よう!!知識に無駄はない!!!と心に刻み、それから仮面ライダーは未だに録画して観ているし、いまだに子供との会話に役立っている。そのころからNHK教育も見はじめ今に至っている。
子供と関わるうえではかなりマストだと思う。同じ目線を獲得する意味でも。とくにNHKは、子供のどうのような感性を磨こうとしてるのか?という目線でみるとかなり勉強になる。
さ。STとの出会い編は次号。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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